産業看護には、健康診断等、法的に実施しなければならないことは勿論のこと、メンタルヘルス対策や健康づくり、職場復帰支援等々努力義務で実施する様々なことがあります。事業所の方針や状況に沿い、人事・労務担当者と連携をしながら看護職が中心となり実施していることが多いと思います。
日頃、産業看護活動を行う中、悶々としていませんか?
私は、現役で活動している際に、自分の活動の妥当性がとても気になっていました。でも、むやみやたらに、他に相談することもできずに悶々としていた経験があります。
看護職の配置は法的根拠がないので、事業所に1人看護職という状況も多いと思います。埼玉産業保健総合支援センターでは、産業保健看護研修交流会を開催しています。内容は研修(講義・演習)とその後に、交流の場を設けています。研修でスキルアップができ、交流会では和気あいあいと盛り上がり、他の事業所の取組を聞いて自身の活動の幅を広げることができます。何よりも交流して仲間が増えることは財産だと思います。是非ご参加ください。お待ちしております。
―事業所にとっても、従業員にとっても、関わる私たちにとっても役立つ仕事をしていきたい。―
4月は年度初め、環境変化も多く忙しさが増す季節ですが、産業保健看護職の皆様、日頃の業務はどのようにして進められていますか?
私達、産業保健の健康管理業務の中で最も業務のメインとなる健康診断は、事業者の行う労働衛生体系の中でも重視され、専門職に期待されているところです。企画から準備、実施、事後の対応、結果の後処理、課題だし、次年度計画と一連の工程の中で、専門職としての視点や、それぞれの工程での役割発揮について考えてみたことはありますか?
私は、大企業の産業保健師として何年も活動してきたものの、「保健師でなければ出来ない仕事をしているのだろうか?事務職でも出来る仕事ではないか。産業保健師は何をする人なのだろう」と自問自答しましたが答えが出せず、仕事が楽しく感じられませんでした。
転機は、相談した恩師の一言でした。
「産業保健師の専門性の柱が少ないからグラグラするんじゃないの。」確かにそうだ。専門性で仕事が出来ていると実感出来ていたら、落ち着くのかもしれない。支援をお願いし、事業所での活動の一つ一つに目的と看護の視点を確認して計画を立てたことを現場で実践して試してみることにしました。経験年数10年以上を経ての学び直しです。1年じっくりと、担当事業所を通して産業保健師の専門性について確認していきました。発見できたのは、同じ業務でも以前と見え方が違って見えたことです。
健康診断の一つ一つの工程に保健師としての視点と目的がおけると、役割が明確になりました。健康診断は会社にとってどういう意味を持つのだろう、従業員ひとり一人にとってはどうだろう、関わる保健師としてはどうだろう、全従業員に健康診断を活かすことはできているのだろうか。一年で一連の流れが見えてくると課題と役割、視点を整理していく事ができました。鳥の目になり健康診断の全体像を俯瞰できるようになり、仕事が楽しく感じられました。
気づきと発見を重ねながら、自己成長につながる仕事をしていきませんか!
埼玉産業保健総合支援センターでは、産業保健看護職の皆様が実務に役立つ研修プログラムを提供していきます。
共に学び合い、成長していきましょう。
「産業看護」。自分なりに調べてみました。産業看護とは、「あらゆる職業に従事する人々に対して産業保健の目的、すなわち、①職業に起因する健康障害を防止すること、②健康と労働の調和を図ること、③健康の保持・増進を図ることを達成するために、看護の理念に基づいて組織的におこなう、集団および個人に対する健康支援活動」とありました。
このことからすると、保健師・看護師等の資格を持った専門職があらゆる職業に従事する人々の健康障害の予防と、さらには良い状態を目指している労働者へ、心とからだの健康保持を通じて、職業生活の充実の手助けをすることなのかもしれません。
当センターでは、産業看護職向けに様々な情報の発信や相談対応、研修会等を開催しています。是非、ご利用下さい。そして、周りの保健師、看護師をはじめ衛生管理者等の方に当センターの利用をお知らせください。産業保健活動に関する役立つ情報が見つかるはずです。