埼玉産業保健総合支援センター

有所見者の医師等意見聴取 申込 研修会動画で学ぶ お問い合わせ
メニュー
トップ > 調査・研究資料 > 調査研究(平成12年度)

調査研究(平成12年度)

小規模事業場の労働衛生管理の実態について

総   括 埼玉産業保健推進センター 所 長 沖野 哲郎
主任研究者 埼玉産業保健推進センター 相談員 村田 勝敬
副主任研究者 埼玉産業保健推進センター 相談員 林 文明
共同研究者 埼玉産業保健推進センター 相談員 和田 攻
    生駒 賢治
    藤田 寿久
    興原 幸子
総   括 埼玉産業保健推進センター
所 長 沖野 哲郎
主任研究者 埼玉産業保健推進センター
相談員 村田 勝敬
副主任研究者 埼玉産業保健推進センター
相談員 林 文明
共同研究者 埼玉産業保健推進センター
相談員
  • 和田 攻
  • 生駒 賢治
  • 山崎 博
  • 藤田 寿久
  • 興原 幸子

I. はじめに

本調査研究は、埼玉県内の小規模事業場で働く労働者の労働衛生管理がどのように実施されているかを明らかにし、併せて「小規模事業場における労働者が健康で快適な職業生活を送れるようにする」ための産業保健サービスの提供指針を策定するための基礎資料とすることを目的とした。
一方で、本調査研究を実施することにより当産業保健推進センターおよび地域産業保健センターの事業内容を幅広く周知させることも期待されうる。
このため本調査研究では、特に埼玉県内の地域産業保健センターの存在を知っていたか否かで小規模事業場の産業保健活動レベルに差があるかどうかに焦点を当てて検討した。

II.調査方法と対象

埼玉県内に小規模事業場が180,942あるが、これらから無作為抽出された1,000事業場にアンケート用紙を郵送した。このアンケートの回収数は327部であり、回収率は32.7%であった。
回答の得られた事業場の従業員数別内訳は、10人以下が13.5%、11~20人が28.4%、21~30人が26.3%、31~40人が15.6%、41~49人が15.3%、無回答が0.9%であった。
また、業種別内訳は、製造業が40.7%、建設業が13.8%、運輸業が5.2%、商業が3.4%、金融業が1.2%、教育・研究関係が4.9%、保健関係が0.3%、接客娯楽業が0.3%、無回答が30.3%であった。

III. 結果の概要

これらのうち地域産業保健センターの存在を知っていた事業場は32.4%であったが実際に利用したことがあったのは4.3%であった。小規模事業場における産業保健活動については、定期健康診断の実施率が90%以上であり、そのうち95%以上が個人宛に結果を通知しており、事業主の健康管理に対する意識が高いことが推測された。しかし、職場の健康管理について「積極的に産業保健活動を実施している」と答えた事業場は約50%で、主に時間的・経済的理由から、必ずしも満足のいく産業保健活動を実施していないという現状が推測された。
個々の質問に対する回答を事業場の従業員数別に検討すると、従業員が多い事業場ほど産業保健活動を積極的に実施しておりその現状に対する満足度も高い傾向があった。また、地域産業保健センターを知っていたか否かで検討すると、地域産業保健センターの存在を知らなかった事業場より知っていた事業場の方が産業保健活動を積極的に実施している傾向が窺えた。
具体的には、特殊健診の実施率、安全衛生推進者の選任率、作業環境測定の実施率は地域産業保健センターの存在を知っていた事業場で高く、その他の産業保健活動に関しても全体的に地域産業保健センターの存在を知らなかった事業場よりも実施率が高い傾向がみられた。また、産業保健活動の現状に対する満足度も、地域産業保健センターの存在を知っていた事業場の方が知らなかった事業場よりも高い傾向がみられた。

IV. 終わりに

以上より、埼玉県内の小規模事業場の約1/3が地域産業保健センターの存在を知っていたが、ほとんど利用していないことが明らかにされた。しかしながら、地域産業保健センターの存在を知っていた事業場では概して産業保健活動が積極的に行われている傾向がみられたことより、今後地域産業保健センターの活動内容について積極的に情報提供し、活用を促進すれば、小規模事業場における産業保健活動が大いに活性化される可能性が高いと考えられた。


産業保健情報

ページのトップへ戻る